コールドプロセス製法で作る手作り石けん教室で一番多い質問は石けんの「熟成」についてです。
どうやって熟成すればよいのか?
熟成期間はどのくらい必要なのか?
熟成中のお手入れ方法は?
などなど・・・熟成方法など詳しくは下記で説明するとして
➤手作り石けんの洗い心地を決定する最も大切な熟成方法
上の写真はマルセイユ石けんです。EXVオリーブオイルを使用し、さらに美容液にも使われているミルクセラミドを贅沢に加えて作ってあります。
さて、この石けんの熟成期間はどのくらいでしょう?
実は今年で12年目になります!
と講習会でお話するとみなさんとても驚かれます。中には本当ですか?なんて疑いの目で石けんを見つめている方も・・・
私が今熟成させている石けんの中には、10年、12年、そしてなんと15年も熟成させている石けんがあります。
手作り石けんの本やHPの中には「1年以内に使い切りましょう」と書かれていることが多いのですが、実は手作り石けんは熟成すればするほど泡立ちがよく、お肌にとってもやさしい石けんができ上がるのです。しかも長期間じっくり熟成された石けんは、まるで美容液のようにお肌をしっとりと洗い上げてくれます。
私は手作り石けんを使うようになり、冬場でも手荒れが気にならなくなり、洗顔後は化粧水を忘れる事さえあります。
下の写真はどちらも10年目のマルセイユ石けんです。違いはというと①の石けんは作った時とあまり変わらずきれいな色をしていますが、②の石けんは部分的に茶色く変色してしまっています。
①変色していないマルセイユ石けん
②色が変わってしまったマルセイユ石けん
どうしてこのような差ができてしまったのか、これだと言うはっきりした理由はわかりません。
①の石けんは色ツヤも良く、そして使用すると汚れ落ちや泡立ち、使い心地、洗った後のお肌のつやつや感・・・本当に最高です!
②の石けんは同じように作り、同じように熟成していたのですが、もしかしたら熟成する時の置き場所が少し違っていたり(棚の上の方か下の方、または窓際だっりドアの近くだったり)、あとは石けんが汗をかいた時にもしかしたら水滴のふき取り方が違ったのかもしれません。でも使い心地に差はまったくありません。
私の石けん工房には熟成中の手作り石けんが少なくとも1000個以上は常に熟成されています。多い時では2000個以上の時もありました。
なのでどうしても手入れの届かなかったものも出てくると思っています。ただし茶色く変色していても使用するのに差し支えはありません。(石けんをプレゼントする時は茶色い部分をカットしますが・・・)
➤手作り石けんの熟成中、表面についた水滴はどうしたらいいの?
海外ではマルセイユ石けんやオリーブ石けんなど、昔ながらの方法で手作りしている石けんは、長期間の熟成で色がまっ茶色になり独特なにおいがきつくなった石けんを高級石けんとして大切にしているところがあります。
この10年以上熟成された手作り石けんはとてもマイルドで泡立ちも良く、とろけるような泡のベールがお肌を包み込み、洗い上がりもしっとりする石けんになっています。
洗顔後は化粧水をつけるのを忘れるくらいしっとりしており、これこそ手作り石けんを使う醍醐味だと思います。
また、我が家では洗顔はもちろんお風呂でもみんながこの手作り石けんを使用し、洗面所やキッチンなどでの手洗いももちろんこの石けんです。(とても贅沢ですが・・・)
特に手作り石けんを手洗いに使うようになってから手荒れやひび割れが一切起きなくなりました。
これはコールドプロセス製法で作る石けんに含まれる天然の保湿成分グリセリンがたっぷり含まれていることや、上質のオイルを火にかけずに使用しゆっくり熟成させること、そしてもちろん添加物等は含まれない石けんである結果だと思います。
私は石けんは「生き物!育てるもの!」だと思っています。
やさしく丁寧に手をかけて手間と時間と愛情をかけて育てれば、お肌にとても優しい石けんができ上がると思っています。みなさんもぜひ一度石けん作りにチャレンジしてみて下さい。もちろん熟成期間は10年とは言いませんが、せめて半年は熟成させて頂ければと思います。
注)酸化の早いオイルを使用したり、またオプションとしてミルクや野菜など食品を加えた場合は早い目にお使い下さい。
➤手作り石けんは作ってから1か月で使ってはいけない!