手作り石けんの熟成中、表面についた水滴はどうしたらいいの?
この現象を「石けんが汗をかく」といいます。
コールドプロセス製法で作った石けんには、天然のグリセリンがたっぷり含まれています。
これは市販の大量生産で作られた石けんでは考えられないことです。
まずはどうしてコールドプロセス製法で手作りされた石けんには、天然のグリセリンがたくさん含まれているのか少し説明しましょう。
手作り石けんの中には天然のグリセリンがたくさん含まれていることがわかりましたか。
「石けんが汗をかく」のは、このグリセリンが関係しているのです。
石けんが汗をかく理由は主に3つあります。
①天然のグリセリンが水分を引っぱってくる。
手作り石けんの熟成中に表面に出てくる水滴のほとんどは、石けんの中から出てきたものではありません。
もともとグリセリンは空気中の水分を引っぱってくる性質があります。
この性質のおかげで、グリセリンは保湿力が高いのです!
手づくり石けんの中にたっぷりと含まれている天然のグリセリンが、空気中の水分を引っぱってくるため、石けんの表面に水滴がついてくるのです。
水滴は空気中の水分なので、特に梅雨の季節など湿度の高い日は、石けんのまわりにたくさんの水滴がつくことがよくあります。
このグリセリンによる空気中の水分吸着がいちばんの理由といえます。
②石けんの中の水分が出ている。
石けんには水分が含まれていて、熟成することで水分が蒸発し、硬くしまった石けんになっていきます。
量は少ないのですが、その水分が石けんのまわりに水滴となってつくことがあります。
③石けんの中のグリセリンが出ている。
熟成が進み、石けんの中の水分が蒸発して石けんが硬くしまってくると、天然のグリセリンが溶け込んでいる水分が外に絞り出されてきます。
量は少ないのですが、そのグリセリンの影響で石けんのまわりがベタベタしてしまうことがあります。
では、この水滴はどうしたらいいのでしょうか?
コットンの布やティッシュなどでやさしくふき取ってあげてください。
手作り石けんは高温多湿、直射日光を嫌います。
あまりに水滴が多い場合は、熟成させる場所を変えたほうがいいときもあります。
また、熟成期間については、つや肌流では最低6か月以上の熟成をお願いしています。
よくみかける手作り石けんの本などでは「1か月で使えます」と書かれていることが多いのですが、大変申し訳ないのですが、1か月の熟成ではピリピリして到底使えません。
特に手作り石けんを使いたいと思って講習会に参加される方は、お肌にトラブルを抱えていらっしゃる方が多いので、1~2か月では使わないでくださいとお話しています。
ただし、使用するオイルの種類やオプション、熟成環境や保存方法などによっては、変色してきたりしますので、そんな時は早い目にお使いください。
➤手作り石けんは作ってから1か月で使ってはいけない!
➤手作り石けんの正しい熟成方法
私は手作り石けんは育てるものだと思っています。
やさしくていねいに手間と時間と愛情をかけて育てれば、きっとお肌にとてもやさしい石けんになってくれると思います。
➤美肌を作る手作り石けんの基礎
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