コールドプロセス製法で手作り石けんを作る場合、気をつけなければならないことがあります。
特に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を使用するので、扱いには十分注意が必要です。
また、お子様やペットがいらっしゃるご家庭では、そばに近づけない環境で作ってください。
とお話すると初めて石けんを作る人の中には、「ちょっとこわい!」と感じる人も・・・
でも極端にこわがる必要はありません。
下記の注意事項をよく読んで、安全で楽しく、そしてできあがった石けんの極上の使い心地をぜひみなさんのお肌で実感してください。
■ 植物油(100%ナチュラルオイル)
つや肌では100%ナチュラルオイルを使用しています。つやつや素肌をめざすための石けんには、上質なオイルを使用することが大前提です。
エキストラバージンオリーブオイル、ライスブランオイル(米油)、グレープシードオイル、スイートアーモンドオイル、ココナッツオイル、パームオイル・・・など作りたい石けんによりオイルの種類を変えています。
また、オイルは重量(g)で計量しましよう。容量(ml)で計量した場合、夏と冬では10%以上の量の差ができることがあります。
■ 苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)
苛性ソーダは「水酸化ナトリウム(NaOH)」という強アルカリの物質です。劇薬指定されています。
[注意事項]
①絶対に素手で触れないようにしましょう!
苛性ソーダはタンパク質を溶かすため、直接皮膚に触れるとやけどや皮膚が溶けてしまうことがあります。必ずゴム手袋をはめて扱ってください。またゴーグルやメガネも着用してください。
②そのまま放置しないようにしましょう!
苛性ソーダは吸湿性が高いので、密閉できる容器に入れてしっかりとフタを閉めておきましょう!
③作業中は喚起をしましょう!
苛性ソーダは水分と出会うと温度が60℃~100℃以上に急激に上がり、刺激性のある蒸気を発生します。蒸気を吸わないように、マスクをして、必ず換気をしましょう。また、苛性ソーダ水溶液の入ったビンをさわる時は、火傷をしないようにゴム手袋や軍手をはめましょう。
④作業中や保管時には保管場所に注意しましょう!
作業中はお子様やペットが近寄れない環境を作りましょう。また、苛性ソーダを保管するときは、密閉容器に入れ、お子様やペットの手の届かない場所に保管しましょう。
⑤苛性ソーダが皮膚に触れたときは
万一苛性ソーダが皮膚に触れた場合はすぐに大量の流水でよく洗い流し、念のため酢やクエン酸をかけて中和させましょう。その後は火傷の処置と同じです。ただし症状がひどい場合はすぐに専門家にご相談ください。
苛性ソーダの水溶液は、身近なもので例えると「高温の油」を扱っているのと同じように思ってください。
⑥責任を持って扱いましょう!
苛性ソーダは薬局で購入できますが、劇薬指定されているため購入時には印鑑、身分証明書等が必要です。ご自身で責任を持って扱ってください。
■ 精製水
薬局で販売されている精製水を使いましょう。水道水やミネラルウォーターは、ミネラルや塩素等の微量成分が石けんになるための変化(ケン化)の妨げになるので、必ず精製水(純粋)を使用しましょう。
■ オプション
基本のシンプルな石けんは植物油・苛性ソーダ・精製水があれば作ることができます。
応用編として、植物オイルを変えたり、美肌のための成分を加えたらり、さらに色やデザインを変えて楽しんだりとバリエーションはとても豊富です。ぜひチャレンジしてみてください。
①植物油を変える
ライスブランオイル(米油)、EXVオリーブオイル、グレープシードオイル、スィートアーモンドオイル、ホホバオイル、フラックスシードオイル・・・などたくさんの種類があります。
②お肌によい素材を加える
エッセンシャルオイル、ドライハーブ、植物エキス、クレイ、はちみつ、ココア、コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミド、トレハロース、野菜・・・
③色やデザインを楽しむ
色は植物オイルや加える素材によっても変わってきます。ココアを入れれば茶色、ターメリックは黄色、ローズヒップは紅色、パプリカ、コーヒー、アロエ、ゆず・・・と色の出る素材を入れてみましょう。食用の着色料を使うという方法もありますが、せっかく手作りするのですから、自然素材で色づけすれば、見た目にもやさしい色合いの石けんができあがります。
そろえておきたい道具
①ボウル 大2個、小2個(ステンレス又はガラス製、1ℓ程度の大きさ)
②計量カップまたはビーカー
③フタに穴をあけた耐熱性ボトル(ガラス瓶)
④鍋 2個 (ステンレス又はホーロー製で、ボウルが湯煎できるもの)
⑤泡だて器
⑥ガラス棒又はスプーン(ステンレス製)
⑦ゴムベラ
⑧温度計(2個あると便利)
⑨石けんを流しいれる型(牛乳パックでもOK)
⑩石けん型を保温できる箱(なければ厚手のタオル)
⑪ゴム手袋、マスク、ゴーグル、エプロン
⑫デジタルスケール
■ 道具類は必ずステンレス又はガラス製のものを使ってください。鉄、アルミ、銅、テフロン加工されたものは、苛性ソーダによってさびたり、腐食してしまいます。
■ 苛性ソーダは水に溶かすときに、温度が60℃~100℃以上に急激に上がります。苛性ソーダを溶かす容器は必ず耐熱性のものを使いましょう。また、下記の写真のようにフタに穴を2か所開けておくと安全性が増し、とても便利です。
■ 道具を洗うときは、ゴム手袋をはめてから、あらかじめ道具についている石けんの生地を新聞紙などできれいにふき取り、ビニール袋などに入れて口をしっかりとしばってから捨てましょう。洗うときも必ずゴム手袋をはめ、専用のスポンジを用意し、台所洗剤でよく洗いましょう。
■ 石けんを流しいれる型については、牛乳パックや木の箱、お菓子の入っていた箱などいろいろ利用することができます。牛乳パックの場合はそのまま流しいれても大丈夫ですが、木の箱などは先にオーブンペーパーを敷いておくと取り出しやすくなります。また、手作り石けん専用のケースも販売されています。
■牛乳パックで簡単に石けん型を手作りすることができます。詳しくは➤こちら
■ 沸かしたお湯を使用しますので火傷には十分注意してください。
■ お子様やペットがいらっしゃるご家庭では、そばに近づけない環境のもとで作ってください。また苛性ソーダの保管には十分注意し、お子様やペットの手の届かない所に保管してください。
■ 手作りしたものを使用する時はすべて「自己責任」において使用しましょう。
■ 手作りしたものを使用中に異変を感じたときはすぐに使用を中止し専門家にご相談下さい。
➤美肌を作る手作り石けんの基礎