えごまオイルとローズマリーで「トラブル肌用石けん」の作り方

 

 
 
 
えごまオイルはしそオイルとも呼ばれ、シソ科植物からとられるオイルです。
 
えごまオイルにはオメガ3脂肪酸のひとつであるα-リノレン酸がたくさん含まれており、トラブル肌や乾燥肌におすすめです。
 
保湿はもちろん、お肌を柔軟にし、肌トラブルをしずめてくれます。
 
ブレンドする米ぬかオイル(ライスブランオイル・米油)もたくさんの生理活性成分や美肌成分がとても豊富に含まれており、美肌のためのおすすめオイルです。
 
さらに血行促進、抗酸化、老化防止におすすめのローズマリーを加えます。
 
えごまオイルは少しくせのあるオイルなので、他のオイルとブレンドしてつくります。

 
 
 

準備するもの

 
 
 
【 材料 】 (約500g分)
 
 

 

 
 
・えごまオイル     105g
・米ぬかオイル(米油) 158g
・ココナッツオイル   53g
・パームオイル     35g
・精製水(純水)    58g
・苛性ソーダ      42g
・ローズマリーエキス  50g
 (ローズマリー2g)
 (精製水100g)
・エッセンシャルオイル 1~5ml(なくてもOK)
 
 
 
【 道具 】
 
 

 
 
①ボウル 大2個、小2個(ステンレス又はガラス製、大は1ℓ程度の大きさ)
②計量カップまたはビーカー
③フタに穴をあけた耐熱性ボトル(ガラス瓶)
④鍋 2個 (ステンレス又はホーロー製で、ボウルが湯煎できるもの)
⑤泡だて器
⑥ガラス棒又はスプーン(ステンレス製)
⑦ゴムベラ
⑧温度計
⑨石けんを流しいれる型(牛乳パックでもOK)
⑩石けん型を保温できる箱(なければ厚手のタオル)
⑪ゴム手袋、マスク、ゴーグル、エプロン
⑫デジタルスケール
 
 
注)始める前に確認しましょう。
すべての材料と道具はそろいましたか?
ゴム手袋、マスク、ゴーグルをはめましたか?
換気、水洗いのできる場所ですか?
まわりにお子様やペットは近寄れませんか?
 
 
手作り石けんを初めて作る人や、まだ慣れていない人は『手作り石けん(コールドプロセス製法)を作る前に必ず読んでおきましょう』を必ずお読みください。慣れている人でも今一度作る前にご確認をおすすめします。

 


 

作り方

 
 
 
【 Ⅰ:ハーブエキスを作る 】
 
 
①耐熱容器にローズマリー2g(ティースプーン約2杯)を入れ、沸かした精製水100gを注いでハーブエキスを作ります。
 
 
②湯が冷めたらハーブをこしてハーブエキス50gを量っておきます。
 
 
③しぼったハーブの葉も加える場合は残しておきましょう。
 
注)ハーブエキスは型入れの少し前に加えます。苛性ソーダにハーブエキスを加えてしまうと、ハーブエキスの中の成分がアルカリに負けてしまう場合があるためです。
 
 
 
 
【 Ⅱ:苛性ソーダ水溶液を作る 】
 
 
① ビーカーに精製水58gを量ります。
 

 
 
 
② フタに2か所穴をあけた耐熱ガラスビンに苛性ソーダを量ります。
 

 
 
 
③ ②の苛性ソーダの入ったビンに精製水を入れ、ガラス棒で静かにかき混ぜて、苛性ソーダが溶けたらしっかりとフタをします。
 
注)このとき苛性ソーダ水溶液の温度が60℃~100℃に急上昇し、刺激性の蒸気が発生します。やけどに注意し、蒸気は絶対に吸い込まないように換気をして、窓があれば開けておきましょう。
 

 

 

 
 
 
④ ③のビーカーを水につけ40℃~50℃位に冷ましておきます。
 

 
 
 
【 Ⅲ:オイルをブレンドする 】
 
 
①各オイルを量ります。
 
 
②ボウルにすべてのオイルを入れます。別の鍋にお湯を沸かし、オイルの入ったボウルをつけ、混ぜながら湯煎して40℃~50℃位に温めます。
 
 
 
 
【 Ⅳ:石けん生地を作る 】
 
 
① ⅢのオイルとⅡの苛性ソーダ水溶液の温度を40℃~50℃位の間にそろえます。
 
一般的な手作り石けんの本では、「両方の温度を●℃にそろえましょう。」など細かく温度設定されていることが多いのですが、そこまで神経質になる必要はありません。40℃~50℃位の間で大体同じくらいの温度であれば大丈夫です。
 
 
 
② オイルに苛性ソーダ水溶液を少しずつ加えながら、よくかき混ぜます。少しずつ色が変化し、石けんのいい香りがしてきます。
 
注)少しずつ加えることによって、ムラのないきれいな石けんができあがります。また、混ぜ方は全体をぐるぐるまんべんなく回すようにまぜましょう。泡立てたり、勢いよくたたいて生地を飛ばさないようにしましょう。
 
 
 
 
【 Ⅴ:ハーブエキスと葉を加える 】
 
 
生地が少し重くなってきたらハーブエキスを加えます。Ⅰで作ったハーブエキス50gを少しずつ加えよく混ぜます。また、葉も加える場合は型入れの直前に生地に混ぜ込みます。
 
 
 
 
【 Ⅵ:エッセンシャルオイルを加える 】
 
 
型入れの直前にお好みのエッセンシャルオイルを加え、全体に混ざるようにかき混ぜます。エッセンシャルオイルを加える場合、どうしても熟成期間の間に香りが薄くなってきます。つや肌流ではエッセンシャルオイルの量は全体の1%程度としています。香りはつけなくてもOK。
 
➤手作り石けんに香りをつける方法とおすすめのエッセンシャルオイル
 
 
 
 
【 Ⅶ:型入れ 】
 
 
① 生地の表面に泡だて器で線が書けるくらいになったら型入れ時です。この生地をトレースが出た状態といいます。
 

注)写真はデイリー石けんです。
 
 
② 型に流し込みます。
 
 
注)生地はカスタードクリームのようにおいしそうに見えますが、決して指を入れたり、食べたししないでください。
 
 
 
 
【 Ⅷ:固める 】
 
 
生地の入ったケースを温かく保ち、反応を進めます。夏は気温が高いので、そのままでも反応は進みますが、寒い冬はケースをタオルでくるんだり、保温箱などに入れておきましょう。(表面にラップをかけておきます。)
反応が進むと固まりますが、生地が柔らかいとカットしにくいので、1週間以上はそのまま置いておきましょう。
 
 
 
 
【Ⅸ:カットする 】
 
 
①生地が固まったら、ケースから取り出します。
注)素手でさわると手があれるので、必ずゴム手袋をはめて作業してください。
 
 
②オーブンペーパーを敷いている場合ははずします。牛乳パックの場合は切り開いてください。
 
 
③包丁で適当な大きさにカットします。
 
 
 
 
【 Ⅹ:熟成させる 】
 
 
日の当たらない風通しのよい乾燥した場所で熟成させます。熟成させる箱はできれば木箱をおすすめします。熟成が終われば使うことができます。
熟成中は石けんが汗(水滴)をかいてきます。特に梅雨時はベタベタしてきます。(たっぷり含まれたグリセリンが空気中の水分を引っ張ってきているのです)丁寧にやさしく綿の布で拭いてあげてください。
 
私は手作り石けんは「育てる」ものだと思っています。
 
 
つや肌では最低6か月以上の熟成をお願いしています。(使えるようになるまで少し我慢してくださいね)
 
よくみかける手作り石けんの本などでは「1か月で使えます」と書かれていることが多いのですが、大変申し訳ないのですが、1か月ではピリピリして到底使えません。特に手作り石けんを使いたいと思って講習会に参加される方は、お肌にトラブルを抱えていらっしゃる方が多いので、1~2か月では使わないでくださいとお話しています。
 
また、こちらも本などで「1年以内に使いきりましょう」とよく書かれていますが、私は少し違うと思っています。我が家の石けんは10年以上たった今も全く傷んでおらず、それどころか最高にお肌にやさしい石けんに育ってくれています
現在私が家庭で使っている10年物の手作り石けんは、泡立ち、洗い心地、洗った後のお肌のしっとり感はもう最高です。10年とは言いませんが、ワインと同じで手間と愛情をかけて熟成させればさせるほどお肌にやさしい石けんができあがります
ただ、使用するオイルの種類やオプション、熟成環境や保存方法などによっては、変色してきたりしますので、そんな時はお早い目にお使いください。
 
詳しい熟成の方法➤手作り石けんの洗い心地は熟成方法で決まる

 


 
手作り石けんで洗った後は、「きれいな素肌のための手作りコスメの作り方」でさらにつや肌へ
 
➤美肌を作る手作り石けんのオリジナルレシピ

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