手作り石けんでよく使う「トレース」ってなに?
コールドプロセス製法で作る「手作り石けん」でよく出てくる言葉に「トレース」があります。
本HPでも手作り石けんの作り方の中に何度も出てきます。
「トレース」の本来の意味は
1 原図を薄紙などに透かして、敷き写すこと。
2 登山で、踏み跡。また、その踏み跡をたどること。
などがあります。
英語ではtrace=跡、足跡、形跡と訳します。
では手作り石けんではどのような意味で使われるのでしょうか。
手作り石けんを失敗なく作るためのポイントのひとつに「型入れのタイミングを逃さないこと」があります。
この型入れのタイミングを教えてくれるのが「トレース」です。
石けん生地を混ぜ合わせていくと、最初はトロトロだった生地が混ぜているうちにもったりとしてきます。
そして泡だて器で線が描けるようになったら型入れのタイミング!
この線のことを「トレース」と言い、線が出てきたことを「トレースが出てきた」と言います。
では具体的に見てみましょう。
まずはコールドプロセス製法で石けんを作る基本的な流れを振り返りましょう。
①オイル(油)、苛性ソーダ、精製水を量る。
②苛性ソーダに精製水を加え、苛性ソーダ水溶液を作る。
③オイルを湯煎して温め、苛性ソーダ水溶液と同じ温度にする。
④オイルに苛性ソーダ水溶液を加えよく混ぜ合わせる。
⑤型に入れるタイミングになるまで混ぜ合わせる。
⑥型に入れる。
⑦保温箱に入れて固まるまで待つ。
⑧型から出し、カットしてから熟成させる。
⑨熟成期間が終われば使用できる。
ここで「トレース」が出てくるのは⑤の「型に入れるタイミングになるまで混ぜ合わせる」ときです。
下の写真はオイルと苛性ソーダ水溶液を混ぜ合わせたときです。
石けん生地はまだトロトロしています。
次の写真では石けん生地に泡だて器の跡がしっかりとついていて、この線のことをトレースと言います。
すでにトレースが出ていて、この時が型入れのタイミングです。
トレースが出ていないときはまだまだ型入れ時ではありません。
反対にトレースが出ているのにさらに混ぜ合わせていると、ボウルの中で生地が固まってきてしまいます。
トレースがきれいに出てきたら型入れのタイミングです。
慣れてくれば簡単に判断できますのでぜひ石けん作りにトライしてみて下さい。
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