手作り石けんを失敗しないためのポイントはありますか?
コールドプロセス製法で作る手作り石けん
せっかくお肌によいオイルを使い、手をかけて作るのですから失敗はできるだけ避けたいですよね。
慣れてくれば難しくない作業なのですが、初めての方は特にドキドキですね。
そこで今回は初めてでも失敗しない大切な4つのポイントをご紹介します。
でも、一番大切なのは楽しく作ること!です。
【 1.材料はきちんと量りましょう 】
各材料の分量は使用するオイル(油)のケン化価、お肌に優しい石けんを作るためのケン化率などを考慮して算出された数値です。
分量はできるだけ正確に量りましょう。
しかし使用するスケール(秤)や計量する人などにより量は微妙に違ってきます。
数グラム程度の量り間違いは許容範囲ですので、あまり神経質になる必要はありません。
ただし、オイルや精製水、苛性ソーダの量を極端に間違えてしまうと、石けん生地(タネ)が全く固まらなかったり、反対にすぐにカチカチに固まってしまったりと失敗につながりますので気をつけてください。
さらに、使用するオイルの種類によりけん化価が異なり、分量も違ってきます。
レシピ通りのオイルを使用しましょう。
(*ケン化価やケン化率は別のページにて解説します。)
➤手作り石けんの生地がボウルの中でなかなか固まりません。どうすればいいの?
【 2.オイルと苛性ソーダ水溶液を混ぜるときの温度に注意しましょう 】
石けんを作る過程でオイルと苛性ソーダ水溶液を混ぜる際に両方の温度をそろえる必要があります。
材料のオイルを傷めずに、なおかつ石けんがスムーズにできる温度が40℃~50℃の間です。
両方を同じくらいの温度にしてから混ぜ合わせましょう。
例えばオイルが45℃で苛性ソーダ水溶液が43℃のように大体同じ温度であれば大丈夫です。
両方とも45℃びったりに合わせなくてもOKです。
片方だけ温度が高すぎる(低すぎる)、両方温度が低い・・・という状況は失敗につながりますので避けましょう。
一般的な手作り石けんの本では「両方の温度を●℃にそろえましょう。」など細かく温度設定されていることが多いのですが、そこまで神経質になる必要はありません。
40℃~50℃位の間で大体同じくらいの温度であれば大丈夫です。
【 3.生地を型に入れる時のタイミングを見極めましょう 】
油と苛性ソーダ水溶液を混ぜ合わせた後は、ひたすら泡だて器で生地(タネ)を混ぜ合わせます。
しだいに石けん生地がとろみを帯びて、ボウルの中で石けんに近づいていきます。
そこで大切なのが型入れのタイミングです。
生地がどのような感じになれば型に入れるのかは、特に初心者の方にはわかりにくいかもしれません。
そこで出てくるのが「トレース」です。
上の写真のように、泡だて器で生地に線(トレース)が書けるようになったら型入れ時です。
このタイミングを逃すと生地はボウルの中でどんどん石けんに変化してしまい、固くなって型に入れられなくなってしまいます。
反対に早すぎて生地がトロトロのままだと型の中で分離してしまうことがあります。
型入れのタイミングは逃さないように気をつけましょう。
➤型入れのタイミングを見極めよう
【 4.熟成方法をしっかり確認しましょう】
石けん生地が上手く作れたら、次に大切なのは熟成です。
実はコールドプロセス製法の場合、この熟成が石けんの使い心地を決めるとても大切な大過程でもあります。
型に流し入れた石けん生地は、数日から1週間程度乾燥させたら型から取り出してカットしてから熟成させます。
この時に大切なポイントがあります。
1.日の当たらない風通しのよい乾燥した場所に置く
2.熟成させる箱はできれば木箱がおすすめ
3.熟成中に石けんが汗をかいてきたら、丁寧にやさしく綿の布などで拭く
4.最低でも6か月以上は熟成させる(つや肌流)
よくみかける手作り石けんの本などでは「1か月で使えます」と書かれていることが多いのですが、大変申し訳ないのですが、1か月ではピリピリして到底使えません。
特に手作り石けんを使いたいと思って講習会に参加される方は、お肌にトラブルを抱えていらっしゃる方が多いので、1~2か月では使わないでくださいとお話しています。
ただし、使用するオイルの種類やオプション、熟成環境や保存方法などによっては変色してきたりしますので、そんな時はお早い目にお使いください。
私は手作り石けんは「育てる」ものだと思っています。
こちらも本などで「1年以内に使いきりましょう」とよく書かれていますが、私は少し違うと思っています。
我が家の石けんは10年以上たった今も全く傷んでおらず、それどころか最高にお肌にやさしい石けん(自然素材石けん)に育ってくれています。
詳しい熟成方法は↓を参考にしてください。
➤手作り石けんの洗い心地は熟成方法で決まる
2. オイルと苛性ソーダ水溶液を混ぜるときの温度に注意しましょう
3. 生地を型に入れる時のタイミングを見極めましょう
4. 熟成方法をしっかり確認しましょう
どれだけ気をつけて作っていても、やはり失敗することはあります。
➤失敗した手作り石けんの生地はどうすればいいの?
かくいう私も昔はたくさん失敗を積み重ねてきました。
一度失敗したとしても諦めず次につなげていって欲しいと思います。
まずは楽しく石けんを作りましょう!
➤美肌を作る手作り石けんの基礎
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