手作り石けんを楽しんでいる人が必ず感じる疑問があると思います。
私もたくさんの人に教えてきましたが、たくさんの人から質問される事の一つ。
『手作り石けん作るを場合、ディスカウントしたアルカリ分のナチュラルオイルが残っているって説明している石けん教室の先生がいるのですが、ホントですか?』
みなさんはどう思いますか?
みなさんは、絶対に苛性ソーダをディスカウントしてケン化させるレシピで作っているはず。
なぜなら、手作り石けんの作り方が書いてある本のレシピはほとんどがそうなので・・・
そして、手作り石けんにはナチュラルオイルがたくさん残っていて、お肌に優しいんですよ!
って説明されていることがよくあります。
(それって、ほんとかなぁ~???)
手作り石けんを作る場合、苛性ソーダを10~20%程度、ケン化値より少ない量で反応させて作ることがほとんどです。
ここで、普通は10~20%のナチュラルオイルが残ると考えてしまうのは当然でしょうネ。
でも、でも、実際は、ナチュラルオイルなんて、ほとんど残っていませんヨ💦
これからは、少し難しいお話になるので心して読んでね。
でも、できるだけわかりやすく説明しますから。
手作り石けんの本には、『ナチュラルオイルはトリグリセリドです』と説明されていると思います。
ナチュラルオイルの構造は、3個の脂肪酸と1個のグリセリンのエステル結合!
わけがわかりませんね・・・💦
(でも、それでいいんです!)
図で表すと、こんな感じの構造がナチュラルオイルです。
そして、オイルと苛性ソーダが反応してできるのが脂肪酸Naです。
ム・ム・ム❓
なんのこっちゃ!!
脂肪酸3個とグリセリン1個のエステル結合されたものがオイルでしたよね。
その中の1個の脂肪酸 + Na(NaOH中のNa)= 石けん(脂肪酸Na)となります。(NaOHは苛性ソーダです)
ケン化価100%の場合、すべてが反応すると
脂肪酸Na + グリセリン + 水
となります。
では、10~20%ディスカウントした場合はどうなると思いますか?
まさか、、、
80~90%の脂肪酸Na + 20~10%のナチュラルオイル
なんて、考えていませんよネ!
これ、当然、間違い!
では、正解は・・・
〇〇%脂肪酸Na
+
〇%モノグリ(モノグリセリン脂肪酸エステル⁽界面活性剤⁾)
+
〇%ジグリ(ジグリセリン脂肪酸エステル⁽界面活性剤⁾)
+
ほとんどないナチュラルオイル
となります。
図で表すと・・・
〇〇%脂肪酸Na
+
〇%モノグリ(モノグリセリン脂肪酸エステル⁽界面活性剤⁾)
+
〇%ジグリ(ジグリセリン脂肪酸エステル⁽界面活性剤⁾)
+
ほとんどない ナチュラルオイル
とこんな感じになります。
(脂肪酸Na、モノグリ、ジグリの比率は作るときにより違う。)
この様に多くの割合の石けん(脂肪酸Na)に少しの割合のモノグリ + ジグリ(界面活性剤)に、ほとんどゼロに近いナチュラルオイルという割合が私たちの作っている手作り石けん。
(ただしスーパーファットの場合は別です)
では手作り石けんがお肌にやさしいのはどうしてでしょうか。
答えは➤美肌を作る手作り石けんの基礎
ちなみに、モノグリ・ジグリは天然由来の食品添加物としてパンやクリームなどに乳化剤としてたくさん使用されています。
その材料はパーム油やヤシ油を原料として安心して食べられる乳化剤の代表。
乳化剤(界面活性剤)に関しては、また後日、説明することにしましょう。
ということで、
『手作り石けんの中にはナチュラルオイルがたっぷり残っているから』
というのは、真っ赤なウソ!