苛性ソーダ水溶液や手作り石けん生地を直接手で触れてしまったらどうしたらいいの?
手作り石けん(コールドプロセス製法)を作るには苛性ソーダが必要になります。
苛性ソーダ(水酸化ナトリウム、NAOH)は強アルカリの物質で劇薬指定されています。タンパク質を溶かすため、直接皮膚に触れると火傷や皮膚が溶けてしまうことがあります。
手作り石けんの生地はまるでカスタードクリームのようにおいしそうな色合いをしていますが、その中には苛性ソーダが含まれています。絶対に手を入れないでください。
苛性ソーダを石けん生地に混ぜてしまうともう安全だと思ってしまう方が多いのですが、作ったばかりの石けん生地には、まだ石けんになっていない苛性ソーダが入っているという事を忘れないでください。(十分な熟成期間を経て、お肌に優しい石けんができ上がります。)
このように書いてしまうと「怖くて作れないわ!」と思われるかもしれませんが、扱い方を間違えずに十分注意して作業を行えば大丈夫です。
しかしもし万一、苛性ソーダや苛性ソーダ水溶液、石けんのタネ(生地)に直接手で触れてしまったり、肌についてしまったらどうしたらよいのでしょうか。
【 肌についてしまった時の対処法 】
①すぐに大量の水で洗い流しましょう。
②酢やクエン酸水溶液をかけて中和させましょう。
③その後、火傷と同じ処置をします。
ただし、肌についた範囲が広い時や症状がひどい場合はすぐに専門家にご相談ください。
苛性ソーダや苛性ソーダの水溶液、石けんのタネ(生地)が万一はねてしまっても大丈夫なように、準備を万全にしておきましょう。(もちろん肌につかないように注意して作るのが大前提です。)
【 事前準備 】
①ゴム手袋、マスク、ゴーグル(メガネ)、エプロンをつける。
②なるべく肌の露出が少ない服装で作る。
③キッチンなどで作る場合も換気を良くし、新聞紙などを敷いておく。
苛性ソーダを扱う上で注意しておきたい点を下記にまとめましたので、石けん作りを始める前にお読みください。
【 注意する点 】
①絶対に素手で触れないようにしましょう!
苛性ソーダはタンパク質を溶かすため、直接皮膚に触れるとやけどや皮膚が溶けてしまうことがあります。必ずゴム手袋をはめて扱ってください。またゴーグルやメガネも着用してください。
②そのまま放置しないようにしましょう!
苛性ソーダは吸湿性が高いので、密閉できる容器に入れてしっかりとフタを閉めておきましょう!
③作業中は喚起をしましょう!
苛性ソーダは水分と出会うと温度が60℃~100℃以上に急激に上がり、刺激性のある蒸気を発生します。蒸気を吸わないようにマスクをして、必ず換気をしましょう。また、苛性ソーダ水溶液の入ったビンをさわる時は、火傷をしないようにゴム手袋や軍手をはめましょう。
④作業中や保管時には保管場所に注意しましょう!
作業中はお子様やペットが近寄れない環境を作りましょう。また、苛性ソーダを保管するときは、密閉容器に入れ、お子様やペットの手の届かない場所に保管しましょう。
⑤苛性ソーダが皮膚に触れたときは
万一苛性ソーダが皮膚に触れた場合はすぐに大量の流水でよく洗い流し、酢やクエン酸水溶液をかけて中和させましょう。その後は火傷の処置と同じです。ただし症状がひどい場合はすぐに専門家にご相談ください。
苛性ソーダの水溶液は、身近なもので例えると「高温の油」を扱っているのと同じように思ってください。
⑥責任を持って扱いましょう!
苛性ソーダは薬局で購入できますが、劇薬指定されているため購入時には印鑑、身分証明書等が必要です。ご自身で責任を持って扱ってください。
その他コールドプロセス製法での道具・材料についての注意事項は下記を参考にしてください。
➤手作り石けんを作る前に必ず読んでおきましょう
➤美肌を作る手作り石けんの基礎
➤Q&A~CONTENTS~